広域積乱雲観測システム雷嵐BOLT｜気象防災サービスのウェザーテック

広域積乱雲観測システム

広範囲の積乱雲情報を早い段階で得ることにより防災対策の早期開始でリスク回避を可能にします

近年日本では、発達した積乱雲による局地的な集中豪雨により、河川氾濫や土砂災害などの自然災害が増加傾向にあります。これらの急激に発達した積乱雲には、雷放電をともなうことが多く、広域積乱雲観測システム（雷嵐BOLT）で正確な積乱雲の情報をいち早く提供することで、防災活動の早期開始を支援し、災害被害の低減に貢献します。

雷嵐BOLTとは

BOLTはBroadband Observation Network for Lightning and Thunderstormsの略称です。
英語で「稲妻」の意味を持つBOLTは、複数のLF帯センサで構築されており、各LF帯センサは容量性平板アンテナ、A/D変換器、GPS、子局サーバで構成されています。雷放電に伴うLF帯電磁波を広帯域で受信し、干渉法により多数の電磁波放射源を3次元位置標定（方向・距離・高さ）し、画像化することにより、雲の中の電気活動を把握し、雷雲の大きさや移動方向など活動の様子を監視し、迫る危機を早期検知する広域の雷観測装置です。

広帯域デジタル干渉計は大阪大学大学院電磁環境領域（旧河崎研究室）で研究開発された雷観測用の電波測定システムです。
高層まで発達した積乱雲からの電磁波を受信するため、地形や構造物からの影響は受けず、情報の死角が生じません。その探査範囲は半径100ｋｍと非常に広く、ひとつの放電現象を1秒間に最大1000点まで3次元可視化することができます。危険な積乱雲を100ｋｍ手前で検知し情報配信が可能であり、積乱雲の移動速度（早いものでおよそ時速30ｋｍ）から、自主防災活動の早期開始や、災害時要援護者等の避難誘導に必要なリードタイムとして、約１時間～３時間手前の確保が可能となります。急成長し、直上で発生した雷雲に対しても有効です。

BOLT子局間で相互にバックアップ

BOLT子局間で相互に情報交換が行われるため、1カ所が災害により損傷したり万が一の故障が発生したとしても、情報が途絶えることはありません。スマートホン・タブレット端末・パソコン等から、いつでもどこでも情報を受け取ったり、閲覧することができます。※通信エリア内に限ります。端末が圏外の場合はご利用できません。

広範囲の危機管理情報をいち早くお届け

地方自治体での自然災害対策の現状は、気象庁・都道府県から発令される警報・注意報への依存度が高く、避難勧告や避難命令の基準が地域ごとに曖昧なため、避難指示などの生命に関わる重大な判断が遅れたり、適切に周知されないことによる被害拡大が後を絶ちません。地域防災では、住民が安全に避難するために必要なリードタイムを確保するために、早期の自治体職員や施設管理者の体制準備と災害の急な変化に対応できる情報提供が求められております。
従来の気象レーダーでは中央機関での情報解析時間がリードタイムに影響を与えていましたが、雷嵐BOLTの情報は自治体や組織の責任者が、スマートホン・タブレット端末・パソコン等から、いつでもどこでも直接情報の閲覧やアラートメールを受け取ることができることから、最短でリードタイムの確保が可能となり、自治体および組織の責任者での避難等の判断に効果を発揮します。